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今年の新語大賞2016年

辞書の三省堂が選ぶ「今年の新語 2016」が発表になりました。

2,834語の応募の中から選考員会が、ベスト10を選び、省堂の辞書を編む人が「国語辞典風味」の語釈をつけました。

大賞 ほぼほぼ

<略略><粗粗>(副)問題とされる事柄に、完璧だというわけにはいかないが、細かい点を除けば、その人なりに全体にわたって妥当だと判断される様子。「工事は、-予定通り進んでいる/不正融資のからくりが-明るみに出された」

2位 エモい

エモ・い (形)〔emotionを形容詞化したものか〕 〔音楽などで〕接する人の心に、強く訴えかける働きを備えている様子だ。「彼女の新曲は何度聴いても━ね」

3位 ゲスい

げす・い[ゲスい](形)〔俗〕ゲスな感じだ。下品だ。やりかたが きたない。えげつない。「―下(シモ)ネタ・―質問」〔江戸時代からあり、二十一世紀に はいって特に多く使われる ことば〕

4位 レガシー

レガシー〈名〉[legacy]あるイベントのためにつくった施設が、のちのちまで再利用できること。また、その施設。「五輪後の―になれるかを議論する」[英語本来の意味は、「遺産」「遺物」]

5位 ヘイト

ヘイト〔hate=にくしみ〕①にくしみから来る、差別的・犯罪的な行為(コウイ)。「―団体・―クライム〔=差別にもとづく犯罪〕」②⇨ヘイト スピーチ〔にくしみから来る、差別的な発言・表現。憎悪(ゾウオ)表現〕。

6位 スカーチョ

スカーチョ 〔スカート+ガウチョパンツ〕 裾が広がりゆったりとして履きやすく行動しやすい、女性用の衣服。 ⇨ガウチョパンツ

7位 VR

ブイ アール 【VR】〔← virtual reality〕 想像することはできるが現実には存在しない事柄を、コンピューターを操作することによって、あたかも実在するかのような、視覚的・聴覚的に捉えられる映像によって表わすこと。また、そのための技術。「━によって再現された南米の古代都市」

8位 食レポ

しょく レポ[食レポ](名・他サ)料理を食べてみた感想のレポート〔=報告〕。食リポ。〔テレビから出て、二〇一〇年代に広まった ことば〕

9位 エゴサ

エゴサ〈名・他動サ変〉[←エゴサーチ]インターネット上で、自分の名前や運営しているサイト名などを検索して、その評判や評価を確認すること。「―したら、むちゃくちゃ書かれててまじへこんだわ」[「自己」を意味するラテン語egoと、「調査する」を意味するsearchから。近年は、自分以外のものを検索する場合も言う場合があるが、これは「マイカー」が他人の車についても言うようになったことと類似している]

10位 パリピ

パリピ〈名・自動サ変〉[←パーリー(パーティー)・ピーポー(ピープル)]パーティーのような、はなやかで盛り上がることのできる場を好むひとびと。また、そのような場に集う陽気で社交的なひとびと。「自宅系―・こんど―しない?[=こんど、パーティーで大盛り上がりなひとにならない?]」[英語partyの発音が「パーリー」と聞こえるところから]

選外 神ってる

選外ではありますが、こちらは「流行語大賞2016」を獲得していますね。

流行語大賞2016はこちらから>>

選外 チャレンジ

選外 IoT

ビジネスの世界では、古い言葉のような気もしますが・・・

形容詞が上位を独占

2位・3位には、「エモい」「ゲスい」と、形容詞(「~い」の形を取ることば)が仲よく並びました。べつに意図したわけではありません。昨年、形容詞はランクインしませんでしたが、今年は健闘したと言えます。

2位の「エモい」は、エモーショナル、つまり感情が高まった状態になっていることを表す形容詞です。2006年に出た『みんなで国語辞典!』(大修館書店)には〈感情的だったりテンションが高くなっている状態〉として報告されているので、遅くとも10年前には使われていたことが分かります。

ただし、知られたことばではありませんでした。『現代用語の基礎知識』が掲載するのは10年版からで、しかも12年版からはパンクロックの一種、エモーショナル・ハードコアの略称「エモ」の形容詞形として載るに止まりました。15年版から〈「ヤバい」を越える感動や感激の気持ちを表す〉としてまた載るようになりました。

一般での使用も、10年代になって増えています。今年も「エモい曲」「冬はエモい」など、非常に多くの例が見られました。「ほぼほぼ」に次ぐ順位に置くのが適当です。

日本語では、「四角な→四角い」「黄色の→黄色い」というように、「特別ではなく普通の日本語の一員になった」と感じられる場合、形容詞化が起こることがあります。ただ、外来語が形容詞化することは大変少なく、1970年代末の「ナウい」、現在の「エロい」「グロい」ぐらいしか例がありません。「エモい」は稀な例と言えます。 「エモい」は、感動・寂しさ・懐かしさなど、漠然としたいろいろな感情表現に使われます。古代には、これとほとんど同じ用法を持った「あはれ」ということばがありました。「いとあはれ」と言っていた昔の宮廷人は、今の時代に生まれたら、さしずめ「超エモい」と表現するはずです。

3位の「ゲスい」は、「下品だ」「やり方があくどい」という意味で使われます。関西弁なら「えげつない」と言うところです。カタカナを含みますが、外来語ではありません。漢字では「下種い・下衆い」と書きます。身分の低い者を表す「下種(げす)」の形容詞化で、歴史的には、江戸時代にすでに例があります。

その後、現代に至るまで、「ゲスい」の例は、あるにはあったものの、あまり目立ちませんでした。

変化が起こったのは、まさに今年になってからです。タレントの不倫問題が週刊誌で書き立てられ、一方のタレントが属していたバンドの名を取って「ゲス不倫」と言われました。この出来事が「ゲスい」の使用頻度を押し上げたことは、インターネットでの検索数の変化からもはっきり分かります。

長い歴史がありながら、少し前まで必ずしも常用語でなかった「ゲスい」でしたが、一種のリバイバル現象を起こして、若い世代にもなじみのあることばになりました。今年の新語の上位にあっていいことばです。

株式会社三省堂より






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